たくさん、泣いて



たくさん、笑った



3人だけの結婚式



外は綺麗な夕焼けで


ガラス張りの壁を真っ赤に染めた




さざ波の音と




銀星のハシャギ声




貴方の優しい眼差しが



まるで楽しい音楽を聞いてるみたいに



私の耳には聞こえるの



ブーケは投げる相手が居ないから




コバルトブルーの海に


3人の幸せを願って投げ入れた



波が寄せては帰し



色とりどりの花びら達を海に連れ帰る



最後の一枚が見えなくなるまで



手を握り、、、



花びら達を見送った



「この先、何があっても、今日を思い出して……」


「桜汰君………」


何かを決意するように、


唇をギュッと結んで、真っ直ぐに海を見てる



「きっと、、嫌、絶対に…俺達は大丈夫」


不安に思う私に投げ掛けてる言葉だと思った


なんにも知らない私は、貴方に笑顔を向けて

「うん、大丈夫、、、」


って頷いたけど


だけど本当は



桜汰君が自分自身に投げ掛けていた言葉だったんだよね






知らないことは罪かも知れないね


貴方が何を思い、どんな気持ちで今日の式を挙げたのか



知らなかった私




桜汰君………



貴方は気付いてたの??





闇の中から動き出す影の存在を………………