「泣くなよ、、、」
泣いてる私に近付き頭を優しく撫でる
「だってぇ…嬉しいんだもん、私も同じ気持ちだったから、、
だから嬉しくて………」
「タクッ、、泣き虫なんだから」
そぉ言って
そのまま私を抱きしめた
赤いパーカにすっぽり隠れてしまう
小さい身体
桜汰君の体温で外の寒さなんか忘れてしまう
桜汰君
ありがとう……
「誰かに見られちゃうかも…」
「平気だよ、こんな赤いパーカー着てさ、こんなとこで抱き合ってたら誰も気付かない…」
幸せな時間
壊れることない安心感
思いが通じてる事に油断していたのかもしれない
桜汰君も私も一瞬だけ忘れていたのかもしれない
私達の関係は
絶対に秘密だって事
誰かに見られてるなんて
「桜汰、、、あの女…やっぱり」
柱の影から覗く人影
タンケンピンク、猿川茜
唇を強く噛み締めて震えていた
「絶対に許さない……」
彼女の嫉妬に狂う眼差しに気付かず
私達は時間が許すまで
強く
強く
抱きしめ合っていた