気づかれるんじゃないかって

ドキドキしながらアスファルトを見つめてると



「知ってるわけないですよね。すいません、人違いだったみたいです。」


って言ってその場から去って行った




…ハァ−−


大きな溜め息と共に安堵感が全身に走り


銀星をグッと抱き寄せた


「痛くなかった??」


「うん!!」


笑顔の銀星にまたホッする


「まだ桜汰君のショーまで時間があるからお昼食べて、少し遊ぼっか♪♪」


「やったー!!」


大喜びの銀星と一緒に東○ドームシティーの中を探索した



今日は桜汰君の最後の舞台


タンケンジャーとして子供達の前に立つ最後の日



最初は見に行くつもりは無かった


だけど一番前の真ん中の席を桜汰君が取ってくれて


『銀星と花穂ちゃんに見てほしいんだ』


って言葉に甘えて見に来てしまった


まさか茜さんに逢うなんて思いもしなかったな



桜汰君が家に住みだして3カ月


毎日が楽しくて


当たり前の日常


当たり前の風景



そこに桜汰君が必ず居て


銀星や私と笑いあってる



そんな日常が幸せで仕方なかった


だからかな…幸せすぎて


たまに彼が芸能人で売出し中の俳優なんだって事

忘れてしまう時がある



茜さんは多分桜汰君を好き


電話で話した一瞬だけど分かってしまった



彼女は私が桜汰君の恋人だと知ったらショックだろうか



知られたら大変な事になるよね


バレてはいけない関係なんだと
改めて実感してしまう



おもむろに上を見上げると空はとても綺麗で


吸い込まれそうなスカイブルー


私はそれを見て大きく深呼吸した