「花穂ちゃん可愛い♪」

髪を弄びながら顔を隠してる手にキスをする

「顔、見せて?」


優しい低い声が私の耳をかする


そっと両手をずらして顔を出すと


桜汰君の顔がすぐ目の前に現れた

「桜汰君…」

「俺、本気だから…花穂ちゃんも銀星も絶対幸せにするし護るから。」


その瞳から桜汰君の本気が伝わってくる


「ありがとう…」

「うん…」


そのまま瞳を閉じて唇を重ね合わせた


ねぇ桜汰君


私は貴方に癒しを与えられていたかな

私や銀星を護るために必死だった優しい貴方を


何も知らない私は
傷つけていなかった??


幸せなこの世界を

護ると貴方は誓ってくれたのに


この時の私は桜汰君と付き合い

一緒になることの重大さに

気付いていなかった……




「ねぇ、桜汰君…」

「花穂ちゃん…」

唇が離れて同時に話し出す

「なに?」

「花穂ちゃんからいいよ」

「えー…でも…」

「じゃあ同時に言おっか?」


コクンと頷くと

一呼吸置いた桜汰君が『せーの!!』と言った


「「銀星に逢いたくなっちゃった!!」」


二人の間の時間が止まる

だって答えが同じなんだもん

「プッ…」

「アハハ!!行こう。銀星を迎えに♪」


私達は急いで着替えて寝ているであろう銀星を手を繋ぎながら仲良く迎えに行った