下を向く私に桜汰君が優しく触れた

「桜汰君?」


顔を上げたら真剣な眼差しが瞳に映りこんだ


あっ……

その瞳がなにを指しているのか
鈍感な私でもわかる


そのまま見つめている私の唇に


冷たい桜汰君の唇がそっと重なった


「んっ……」

少しだけ重なり合った唇はすぐに離された


「ごめん、我慢出来なかった」


ちょっと照れ臭そうに笑う

「ううん//」


「じゃあ…もぉ少ししてもいい?」


「えっ…」


その瞬間激しいキスが降り注ぐ

両手で私の顔をしっかりと支えては
角度を変えながらキスを落とす


「ハァ…ン……」


それは1番最初にしたキスとは全然違う


桜汰君の温かい舌の感触が
私の身体の力を次第に抜いていった

「花穂ちゃん…」

キスを止めて白い息が混じり合うほどの近い距離で
お互いの瞳が絡まりあう

潤んだ瞳を桜汰君に向けると


「今夜、花穂ちゃんを独占したい。」


って言われた


うん…私も


今度いつ会えるか分からない桜汰君


だから


貴方の全てを感じたい


「うん…あのね…」


「なに??」


「私も同じ…だよ。」


私の返事を聞いた桜汰君は
穏やかに微笑んだ

久しぶりの感覚にお酒が廻ってるみたいに

体中の熱がどんどん上がってく


こんなに誰かと一つになりたいなんて

桜汰君の事好きすぎておかしくなっちゃったのかな…


今日の夜私は

ほんの少しの間

母親から女になった……