涙が

一粒、二粒と零れてくる



どんどん流れてくる涙に視界がぼやけてきて

「ウック…桜…汰ヒック…君」

力強く抱きしめてくれる背中に手を廻した


「泣くなぁ…」

「だって銀星の事が…一番心配だったからぁぁ…」


もし桜汰君が銀星を大切にしてくれなかったら

私は桜汰君を好きにはなってなかった

どんな時でも
銀星の味方でいてくれた貴方だから
私は惹かれたんだ…


「ハハッ!じゃあ何度でも言ってやる。俺は銀星と花穂ちゃんが大好きだ!!」


「うん!嬉しいよぉ…」

こんな風に泣いたのは何年ぶりだろう


嬉しくて泣きじゃくる身体を
大きな手の平がゆっくりと何度も撫でる


最初は背中

次は髪の毛


それたら少しだけ身体を離して
頬っぺたをプニプニする


「な、なに…」


「うーん…泣いてるとこも可愛いなって♪」

顔を覗き込みにこやかな笑顔を向けてくる


「//もぉ…」

背中に廻していた手を胸の前に移動させて
軽くポンポンと叩いた