「でも、元がいいと化粧映えするんだね。」

感心して眺めてる祐吉君の頭を後ろから

−パシッ!!

「イテッ!!千夏なんなの!!」


千夏が叩いた

「私がやったんだから当たり前でしょ。」

髪の毛は毛先だけ千夏が綺麗に巻いてくれてクルクルしてる


「はい、花穂。」


「えっ…」


シュッ………


手を出したら千夏が香水をつけてくれた

「花穂、匂いきついのダメでしょ?だから甘いピーチの香。これなら平気でしょ♪」


あっ、本当すごくいい香り

ほんのり香るピーチの香りは甘くて優しい香り

「それ、名前が゙harvest゛って言ってね、意味は実りなの。
花穂の恋が無事に実りますようにって願いを込めて…なんてね♪♪」

千夏は悪戯っぽく舌をだしておどけてみせる


だけど、そんなの照れ隠しだって分かるから

千夏のさりげない優しさが嬉しくて

ギュッて抱き着いた

「ありがと。千夏、私今日頑張るから…」


「うん、頑張れ!!」


私の背中をポンポンて叩いた


「6時に待ち合わせでしょ?そろそろ行きなよ。」


「うん。じゃあママ行ってくるから銀星いい子で待っててね?」


「うん!!行ってらっしゃい」


大きく手を振る銀星を千夏達に任せて

祐吉君のアパートを後にした


外に出ると風が冷たくて
雪でも降るんじゃないかってくらい寒い


だけど私の胸の中は冷たい風とは反対に
桜汰君に逢えるドキドキで熱く溶けてしまいそうだった