夜20時
ご飯も食べ終わってお風呂も入った

銀星は今日保育園で外遊びを張り切りすぎたのか

早々と寝てしまった

これはチャンスだよね


私は携帯を握り締めアドレスから
『木村桜汰』を出した


「よし、押すぞ…」

…スーハー……


大きく深呼吸をしてみる


ドクン、ドクン


鼓動ばかりがドキドキ音を立てて
肝心なボタンはなかなか押せない


−ハァ……

大きな溜め息と一緒に携帯を閉じた


ダメだ

ドキドキして押せない


電話掛けるなんて簡単な事なのに
それさえも躊躇してしまう

仕方ないよね


誰かを好きになる事だって4年振りなんだよ


私今までどんな風に男の人に電話してたっけ


普通に電話掛けるってどんな感じ??


久し振りの感覚過ぎて戸惑うよ


…桜汰君
こんな日に限って電話くれないんだね


電話鳴らないかなぁ……


ほらね、私の悪い癖『他力本願』出ちゃったよ


「あぁ!?こんなんじゃ駄目だよ!!」


千夏は頑張ったんだから私も頑張る!!


シングルマザーは強いんだから!!


勢いに任せて

もぉ一度携帯を開いて


−−ピッ、、


桜汰君へ電話を掛けた