最初こそボビー(知っているか? 俺たちヤードはこうやって呼ばれるんだそうだ)と言われて散々敵意を向けられたが、何度も危険を承知でここに来るうちに打ち解けてしまった。

 同じパンを千切る仲ってやつだ。

 酒を共に飲み交わし、夜遅くになればぶら下がり宿で一晩を共にし、朝は宿主の手ひどいモーニングコールで目を覚ます。

 そうやって繰り返していけば、自然と仲もよくなるものだ。

 彼らも、俺がここにいる理由を分かっている。

 誰も彼もが心配なんだ。怖いんだ。

 奴が。奴が怖いんだ。

     一八八八年 九月三十日 ジョージ・サンダーソンの手紙より抜粋