結局選んだのは白のキャミワンピに黒の半袖パーカー。

ワンピだけだと露出度高すぎだと思って。


バイト先の駅で降りて、携帯を取り出した。


“トゥルルルル──……”


……やっぱり緊張する。


『もしもし?』

「あっ、私……高岡、です」


『さっきと同じトコで詰まってね?』

またクスクス笑われた。


もう、しょうがないじゃん!


「駅、着きました。これから向かいます……」

『ん。待ってる』


やばい、ドキドキする。

こんなんでちゃんと気持ち、言えるのかな。



ファミレスが見えてきた時、先生の姿も見えた。


「お前、その髪……どうした?」

私の髪を見て、少し驚いたような表情を見せた。


「あ、遥にやってもらったの……です」

「日本語おかしくないか?」

そう言って肩を震わせた。


「そんなこと……」


敬語で話そうと思ってるのに、私服だったり学校以外で会ったりすると、どうも気が緩んじゃうみたい。

しかも今日はただでさえ緊張してるし……。



「別に外だし“マイ”口調でいいぞ?」

「……その名前はもう言わないで、ください」


でもまだ肩を震わせてるから心配になった。

髪型、似合わない?


「……ヘン、かな?」

「かわいいよ」


──ボッ

顔に熱を感じる。


「ど、どうも……」

「飯食った?」

黙ったまま首を左右に振った。


「じゃ、どっか食い行こうか」

「でも……」