「おはよう」

写真に話し掛けることにも慣れてきた。


「私、今日、誕生日だよ」

一人で過ごす夜にも慣れた。


写真の中の二人は変わらず微笑んでいた。




「真央。誕生日おめでとー!」

「ありがとう」


昼休みに遥と紗依子からプレゼントをもらった。


「開けていい?」

「もちろん」


かわいくラッピングされた包みを開けてみると──。


「嘘……」

この前、遥と一緒に買い物に行った時に私がかわいいと言ったポーチだった。


「うれしい……。ありがとう!」

「ピアスにしようと思ったんだけど、何か思い入れがあるっぽいからさ」

紗依子がいたずらっぽく笑って言う。


「……あはは」


何でバレてるんだろうって思ったけど、いつまでもファーストピアスしてるし、しょうがないか。


「今日さ、学校終わったらカラオケ行こうよ」

「いいねー」

「真央、髪巻いてあげるよ。今日、コテ持ってきてるし」


遥が自分の髪を指に巻き付けながら言った。


「えっ、いいよぉ」

何か恥ずかしいし。

「せっかくなんだからイメチェンしてみなって」

「いいんじゃない? やってもらいなよ」


「じゃあ……お願いしよっかな」


私も一応持ってるんだけど、自分ではうまく巻けなくて、引き出しの奥にしまったままだった。


自分できれいに巻ける遥がうらやましい。