……ん?

でも、最近琢磨の話、あまりしなくなったような……。


「遥、他に好きな人いるっぽいよ? ちゃんと聞いたわけじゃないけど……」

「そうなの!? ……あ」


最近、電車の中で見掛ける他校の男の子の話、良くしてるかも。

自分のことがいっぱいいっぱいで、ちゃんと話しを聞いてあげてなかった。


ごめん、遥……。


「で、琢磨くんがどうした? 告白でもされた?」

「……紗依子サン、何でわかんの?」


もう驚けない。


「だって真央、琢磨くんに対してよそよそしいもん。……気付いてないの?」

「……そんなつもり、ないんだけど……」


「旅行の時?」

「ん……」


そんなにバレバレだったなんて思わなかったな。



「部屋に帰って来た時、何か様子おかしかったもんね」

紗依子ってば、鋭いなぁ……。



「真央と琢磨くん、いい感じだと思ってたけど……違うの?」

「嫌いじゃない。けど、そういう風には……見れない」

「……そっか」


紗依子はそこで、コーヒーを一口飲んだ。


「琢磨とは友達でいたいの。でもそれって、私のわがままなのかな……?」