何で圭吾だけが辞めなきゃいけないの?


何も悪いことしてないのに。


圭吾が学校辞めなきゃいけないなら、私だって……。



「あいつの覚悟を無駄にするな」

「…………」


「あいつ、お前を守るために辞めたんじゃねーの? 守ってくれたのに、無駄にするな」


だけど……。


「電話、してみたか?」

琢磨の問い掛けに、首を横に振った。


「……繋がらない。昨日、うちに来て、だけど、朝起きたらいなくて……」

「……」


眉をひそめた琢磨の顔を見たら、また不安が押し寄せてきた。


もう会えないなんてこと……ないよね?



「とりあえず一人で行くのはダメだ。夜、一緒に行こう。な?」

震える手を握り締めて小さく頷いた。


「俺、カバン取ってくるから、ここにいろ。わかったな? 絶対動くなよ?」

強く念を押す琢磨に頷いて見せると、それでも少し不安な顔をしながら教室に向かって走った。




ごめん、琢磨。