不安な気持ちのまま、午後の授業をサボって保健室で過ごし、放課後を迎えた。
HRには教室に戻り、学年主任の前では普通を装った。
「真央」
HRが終わった瞬間カバンを掴み、教室を飛び出そうとした時、琢磨に呼び止められた。
「ちょっと来い」
「でも……!」
早く圭吾の部屋に行きたいのに。
「いいから!」
強く掴まれた腕を振り払うことが出来なくて、引きずられるように後ろを歩いた。
人気のない所まで来て、ようやく腕が開放される。
掴まれた腕がジンジンと痛い。
「あの写真のこと、また噂になってる」
「……え」
「あの写真に写ってた女がうちの生徒だって」
何で?
学年主任の前でちゃんと否定したのに。
「それであいつが責任を取る形で学校を辞めたらしい」
「そんな……」
「生徒らしいってことだけで、どこの誰かはわからない」
嘘だよ……。
だって昨日、圭吾はそんなこと一言も……。
「家行って来る!」
「今は止めろ!」
「だって!」

