放課後。

帰る準備をしていたら、カバンの中で携帯が震えてた。


[会いたい。家に行ってもいいか?]


久しぶりの圭吾からのメールだった。

もちろんすぐにOKの返事を返す。


「真央、今日買い物……」

「ごめん! 急用!」


私はそれだけ言うと、返事も聞かずに走って教室を出た。


いつ来るかわからないけど、いてもたってもいられない。


急いで帰って部屋を片付けて、圭吾が来るのを待った。



圭吾、早く来て……。





だけど、圭吾が来たのは夜遅くだった。


いつまで経っても来ない圭吾を待ちながら、ベッドに寄り掛かってうとうとしている時だった。

チャイムが鳴って、弾かれるように玄関に向かう。


ドアを開けると、圭吾は滑り込むように中に入って来た。


「ごめん、遅くなって」

「ホント。待ちくたびれてうとうとしちゃったよ」


だけど、圭吾がこの部屋にいることがうれしくて。


「会いたかった」

そう言って抱きつくと、煙草と香水の香りが鼻をくすぐる。


「真央……」


圭吾は抱き締めたまま私を壁に押し付けて、深く唇を合わせた。



「んっ……」