「高岡、ちょっとこっちへ」


職員室に足を踏み入れることなく、学年主任の先生に別室に促された。


……職員室じゃ出来ない話?


何で学年主任の先生が?


ますます不安が募る。


コンコン


先生がノックをして部屋に入ると、そこには圭吾がいた。


「……っ」

どうして圭吾がここにいるんだろう。


「そこに座りなさい」

圭吾が座っている場所からひとつおいたイスを引いて、私を座らせた。



先生は私達の向かいに座って、眉間にシワを寄せて腕を組んだ。



「単刀直入に聞こう。君達は交際しているのか?」

「……え?」

「違うと申し上げたではありませんか」


「君に聞いている訳ではない」


圭吾が口を挟むと、先生はピシャリと言い放った。


「どうなんだ?」

先生は私の目を真っ直ぐ見て言った。


「……違います」

頭が真っ白になりながらも、圭吾に話を合わせた。



……どうして、そんなことになってるの?