「ありがとう。うれしい……」


指輪をもらったのなんか、もちろん初めてで。

くすぐったい気持ち以上にうれしかった。


「私もあるよ。……はい」

昨日は渡せなかったプレゼント。


「いいのに……」

誕生日と同じことを言いながらも、圭吾はちゃんと受け取ってくれた。


「使ってもらえる物がいいと思って」

これだったら学校にしてもおかしくないしね。


「ありがとう」


圭吾の笑顔を見て、私から、圭吾に抱き付いた。


「真央?」

突然抱き付いた私に驚いたみたいだけど、それでもちゃんと抱き締めてくれる。


「圭吾」

「ん?」


「……呼んだだけ」

「何だよそれ」


圭吾はクスクス笑った。




離さないでね──……。