「……ん」
ふと目を開けると、知らない天井が映った。
新しい家の天井……じゃないと思って、まだうまく働かない頭で記憶を手繰り寄せる。
ここど──……。
「……こ!?」
手繰り寄せて、勢いよく起き上がった。
気が付けば、私はあの大きなベッドに寝ていた。
……一人で。
隣に人の温もりもなければ、当然姿もない。
ソファにもいないし、音が聞こえないからバスルームにもいないだろう。
今何時なんだろう?
辺りを見回しても、時計が見当たらない。
ソファの下に置かれたままのバッグから携帯を取り出して、時間を確認すると朝の6時前だった。
何時に寝たかなんてわからないけど、こんなにぐっすり眠ったのは久しぶりだった。