「は、はぁ……。すみません」

「睡眠はしっかりとれよ」


圭吾のそんな言葉にみんながクスクス笑う。


「はい……」

……誰のせいだと思ってんのよ。


思わず睨んでみたけど、圭吾は涼しい顔をしていた。





「じゃ、そういうことで」


文化祭が近付いていて、我がクラスの催し物が今、正式に決まったばかり。


「まさかうちのクラスが飲食枠取れるなんてねー」


三年生は何でもアリだけど、一・二年生で飲食物を扱う出店は学年で一クラスだけと決まっていた。


管理が色々と大変というのが理由らしい。


だから、事前にやりたい企画を各クラスが出しあって、飲食系がカブった場合は抽選になる。


その結果、見事にうちのクラスが当たりクジを引いたってわけだ。



文化祭の実行委員は遥と淳くん。

二人が先頭に立つなら、みんなでまとまってきっといい物が出来るだろう。




「二人共浴衣、持ってる?」

うちのクラスでは“和風喫茶”をやることになった。

だから、全員浴衣がユニフォーム代わり。