腰に回された手がサワサワ動いてくすぐったい。
「ん〜?」
……ワザとでしょ。
「くすぐったいってば……」
「だってすべすべで気持ちいいんだもん」
私の肩に顎を乗せ、相変わらず手が動き回る。
「……もう、出ようよ。のぼせちゃうよ」
「真央、かわいい」
振り返った瞬間、キスされた。
「んっ……」
深く重なった唇に、思わず声が漏れる。
「……は……ぁ」
完全に体を反転させられて、さらに深く、重なり合う。
角度を変え、息継ぎも出来ない程に深く混じり合うキスに涙が溢れてきた時。
「……っ」
圭吾の唇が胸元に落ちて来て、鋭い痛みが与えられた。
「俺の物」
満足そうに言った唇が離れたその場所には、赤く小さな花が咲いていた。
「ちょっ……もう」
「こんな場所、俺以外に見られる心配なんてないだろ?」
浴室に声が響く。
「……そうだけ……き、着替える時とかどうすんのよっ」
「誰かに着替え、見せるわけ?」
「体育とかあるでしょっ」
「……おぉ」
本当に今気付いたような顔をして手を叩く圭吾。
「見せびらかしとけば?」
「テキトーに言わないでよ……」
紗依子はまだいいとしても、遥に見られないように気を付けなきゃ……。