え……どこ行くの……?


圭吾の行き先を追いかけようと顔を上げた時。

チュッ

触れるだけの軽いキスが降ってきた。


「……っな!」

「水取りに行くだけ。そんな寂しそうな顔すんなよ」

「っ……してないしっ」


やっぱり圭吾の方が一枚上手で、やっぱり私の方が好きみたい。


「真央」

「何っ?」


拗ねてた延長で、つい口調がキツくなる。


「真央は俺のこと、信じてないの?」

「……信じてるよ」


ただ、好きだから不安になるんだよ。


「言わなくても伝わらない?」

「……伝わるけど、たまには言って欲しいよ……」

「ベッドの中でならいくらでも」

「ばっ……!」


こんな場面で茶化さないでよっ!


圭吾とは何度も体を重ねてるのに、いつになっても慣れなくてドキドキしっぱなしだった。



「真央」

名前を呼んで、圭吾は自分の隣を叩いた。

素直にストン、と隣りに腰を下ろす。


「誕生日さ」

私の腰に手を回し引き寄せると、口を開いた。

「え?」



「真央んち行きたい」