「だーかーらー、あたし言ってるじゃないですか。『足利義満』っしょ?銀閣建てた人ー。」
教室に響き渡る、元気な声。
その声と共に、笑い声も広がる。
「ミナっちー。それ違うでーw」
男子の笑う声。
「実奈ちゃんホンマにギャルじゃねぇw」
女子の笑う声。
「ちょ、いい加減覚えんさいやw」
教師の笑う声。

此処は、市立鹿御小学校。
田舎のど真ん中にある、総生徒数114人の学校。

山と海に恵まれた島で育った子供達。
喧嘩はあるけれど、やはの仲の良い子供達。

この仲の良さに、必ずいつか罅が入る。

誰も そうは思っていなかった。

けれど


「…今回の6年生で試しましょう。」
「……どうにか出来んのんですか?!
 この子達を…救えんのんですか?」
「仕方ないでしょう。小出先生。…今回は仕方無いです。
 もう、国の方から命令がきているのですから…」
「…っ……分かりました。」


校長と話していた教師 小出(コイデ)は、6年生の担任。
校長の話していた話題 それは、

『絆』

を試すものだった。

国から毎年、どこかの小学校の6年生に、誰も居ない、誰も助けてくれない場所で生活をさせる、というプロジェクトが進められていた。
全員無事出てきた時には、その学校に、栄光をたたえる というものだった。
生徒の命と、学校の成績を天秤にかけたこの学校の校長は、学校の成績を取った。


さぁ

寄ってらっしゃい 見てらっしゃい
残酷子供達の繰り広げる物語(ストーリー)…


Cruel children