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同時刻
須崎邸


窓辺姿を見せるその男性は資料に目を通していた。


ふと視線をそらし外に目を向けると月が空を照らしていた。


「満月か…。」


椅子から立ち上がり窓を開け空を眺める。


(笑花(エミカ)…。お前もこの月を見ているか?)


男性は遠くを見るような視線を空に送りつづけた。


その瞳には確かに月が映っていた。