ドアの前に立つとあいつと別の女と思われる奴との会話が聞こえてきた。 会話の内容からしておそらく看護士であるだろう。 俺はドアにもたれかかりしばし会話に耳を傾けることにした。 「あの…。」 「何ですか?」 「えっと…あたしの名前須崎咲何ですけど…。」 俺は一瞬時が止まったかのような錯覚に見舞われた。 いや、もしかしたら一瞬本当に時が止まってしまったのかもしれない。 須崎って… 理事長の名字だよな…。