------------ 「お母さん…どこ?」 暗闇の中捜し求める母はどちらなのか。 混乱に混乱は重なり咲は座り込んでしまう。 「もう、やだ。もう、嫌なの。」 開いている瞳はどこを映しているのかわからない。 頬を伝う雫は塩気があって暗闇に消える。 「兄さん、助けて…。早く、早く。」 ポツリ、ポツリと放つ声は消えていく。 早く、早く。