兄が、フィリピンに渡り第一子の赤ちゃんを見に行くとゴールデンウイークを使い、私はおかあがおとうの死後、精神的に落ち込んだこともあり、長く勤めた仕事を辞め、コンビニで数時間の仕事に励むようになって、その日も働いて帰ってご飯の支度をしていると、おかあが呟くように言った。

『今日の夕方、倒れたよ。しばらくしたら動けたもんで、言うの止めようかとも思ったけど…』

正直、兄も居ない家に一人で数時間放置されて死んでたなんて…考えただけでゾッとする。
だからと言って、仕事を休めない。
兄が帰って来る前だったので、明日は日曜日だし、病院も休みだから、月曜日には付いて行くから病院に行こうね。
と諭し、兄が家路に付くのを待った。

兄には黙っておくと約束し、おかあを休ませた。
家に兄が着いたのは、22時頃だった。