「閻魔大王の名前か??」


閻魔大王に名前なんてあったんだ。
しかも普通の昔の日本人ぽい名前だし。
閻魔大王は人間だったのか。


「閻魔大王!?何言ってんだ??」


俺の横にいる男が突っ込む。


「鈎柾様が閻魔大王なわけないだろ!!」

「まぁ・・・閻魔大王並みに強くておっかないがなw」

「ここは黄泉の国なんだろ!?」


大笑いする周りに來也は大声を出して突っ込む。
男は目を点にして來也を見つめる。


「黄泉の国??何言ってんだ??・・・ここは日本だぞ」

「ぇ!?」


男の言葉に俺と來也は顔を見合わせる。


「日本なら・・・なんで侍が??」

「ってか・・・俺ら学校の近くの道路にいたじゃん」

「ここは映画ロケ??俺ら俳優になったの??」

「なれないから」


來也のボケに俺は突っ込みを入れる。


「なぁ・・・今平成18年だよな??」

「平成??なんだそれ??今は永禄5年だろ??」

「・・・はぁああああ!?」


俺と來也は思わず顔を見合わせて叫ぶ。


「俺、授業でさっきの言葉聞いたことある」


当たり前だろ??
中学生で習うトコロだ。
・・・・・・・・・・・・・・・。


「俺ら過去に来たのか!?」


俺らは2人で勝手に解釈していた。
それを見ていた男達は、「コイツら頭大丈夫か??」と不審者を見るような目で見ていた。

たまにマンガやテレビで見かける過去に戻る話。
そんなのウソだと思っていた。
今もそうである。


「まさかな...」


俺は今を信じないまま城の中へと足を踏み入れた。