「儂の名は千瀬城厳。お前等に城内を案内するが儂はお前等を信用してないし、信用する気もない。お前らが変な行動を取れば即斬る」
城厳は俺らを鋭い目付きで見つめ刀を握る。
「わ・・・分かってるって!!」
俺らは慌てて承諾をする。
まじで殺させそうで恐い!!
「殿も人が悪すぎる・・・なぜに儂が・・・」
城厳はブツブツ言いながら早足で歩く。
「父上は城厳を信頼しているのだよ」
突然城厳の疑問に答えるように前から若い男が出て来た。
「辰徳殿ではないか・・・殿が儂を信頼してくれるのは心から嬉しいが・・・」
「ならば私が代わってやろう」
辰徳は鈎柾に似た優しい声で城厳に微笑む。
「滅相もない!!辰徳殿に儂の仕事を押し付けるような事出来ませぬ!!第一コヤツ等は敵の可能性がありますし・・・」
「大丈夫じゃ。父上には私から言っておく。私も未来の話を聞きたいのだ。」
「しかし・・・」
「城厳もまだやらねばならぬことが残っているであろう」
城厳は辰徳の発言に戸惑いを隠せずにいた。
どうやら城厳は鈎柾と辰徳に弱いらしい。
まぁ・・・殿と殿の息子・・・次期殿だしな(笑)
「早く行け」
辰徳は優しい笑顔で城厳の背中を押す。
城厳は参った顔をし、頭を下げてこの場を去った。


