「んー・・・未来からか・・・」

「殿!!コヤツ等の言うことデタラメに決まってます!!」

「城厳落ち着け・・・だがのコヤツ等の服装、話し方、話を聞いているとそんな気がしてしまうのじゃよ」

「ですが・・・」


城厳は俺らの言うことが信じられないのであろう。
まぁ・・・普通はそうだろうな。


「お主らの身に付けておるソレはなんじゃ??」


武士らしき男が俺らに身を乗り出して尋ねる。


「へ??ネクタイのこと??」


來也はネクタイをブラブラさせて聞き返す。
武士たちは危険を察知するかのように、「ぉお!!」と体を後ろに下げる。


「ネクタイ・・・それは何に使いのじゃ??武器か??」


ぃや武器はないだろ??
何って・・・学校の制服だしな・・・。
コレは・・・。


「何に使うんだ??」


俺は來也に聞くと來也も、さぁ??と首を傾げる。


「お洒落・・・かな??」


俺らは弱々しい声でお互いに確認を取るように答える。


「お洒落とは・・・もっとちこうで見せてくれぬか??」

「ぁ・・・はい」


俺はネクタイを外し近くにいた武士らしき男に渡す。


「ほぉコレがネクタイか」

「変な形よの」

「ふむ・・・なかなか気持ちの良い物じゃな」


武士らしき男達は口々に呟く。


「それで、お主らは交通事故とやらにあって此処にきたのじゃな??」

「はぃ」

「どうやら此処とそちらの世界は随分と違うようじゃの」


鈎柾は少し悲しそうな顔で言うと何かを決心したように持っていた扇子で手を叩いた。