眠くて、だるくて、体が重い。

昨日夜遅くまで起きてたせいか。

眼の下のクマは、瞼を重くする。


「おい、笠川!」


うつぶせになっている背中に、

どん、と叩きつけられた圧力。

平手うちをくらった。


犯人は友達の、宇津見。


髪をボサボサとかきむしり、

眠い目をあけ、

宇津見を眺める。

宇津見の後ろの窓からさす朝日が

目にささる。


眩しい。


「おはよ…」


「おはよ、じゃねーよ!

お前なんだよ!?その髪」


「ん?」


笠川は、昨日、髪を金色に染めた。

いまどき、流行りではないが、

自分のモチベーションというか、

精神面をあげたくて、

染めたのだ。

金色に。


別に、という顔をすると、

宇津見が顔をしかめた。


「今はそんなの流行んねーんだぞ。

今は、ナチュラルブラックだからな!」


あー、言われると思った。


小さくうなずいて、また机に顔を伏せる。

眠い、重い、だるい。

疲れる。


このまま、夢まで見ようかと思った。