ゼファはニヤリと笑った。それが何を意味したかはわからない。けど、そのままさっきまで寝ていたソファーに戻って安心しきったようにあたしを抱き締めてまた眠りこけた。よっぽと疲れてるんだろう。たぶんこいつがこんなに隙を見せるのはあたししかいない。それには何よりも自信がある。それが凄く幸せだと思う。ずっとこのままで居られればいいのに。時間なんて止まればいいのに。



師匠……。ごめんなさい。あたしは師匠よりも好きな人が出来ました。あたしの中のあなたの痕跡が消えてしまうくらいに彼を好きになってしまいました。自分でも驚いてしまう程に。あなたの育てた娘はこんなに素直じゃないへそ曲がりになりました。それでもこうして愛してくれる人がいるみたいです。ゼファだけじゃない。 アンザックもエリシャもシュライクだって、みんなそれぞれ違う形だけどあたしを愛してくれます。ここの人達は 外の人達が言うような悪い人ってそんなに居ないです。 あたし、ヴァリーフォージは大嫌いだけど
ここ自体は嫌いじゃないです。ここの人達は嫌いじゃないです。だからもっと………、ここを好きになりたいです。こんなあたしを………許してくれますか…?



あたし………、ゼファと居るときだけは『人斬り』じゃなくて 人間でいられる。今まで捨ててきた感情も、何もかもあんたには預けられる。いつからだろう?ずっと………、あたしはあんたが好きだったんだね?