「ガラッ」



私が席に座った瞬間、教室の扉が開いた。

「セーフ?」


「アウトだ望月。今日の掃除当番はお前に決まりだ。良かったな」


先生がニヤリと笑い、望月君と言う男子はその場にしゃがみこんだ。


「うわー。何で今日に限って遅刻しちゃうんだよ。最悪だー」


頭を抱える望月君を見て、私は思わず笑ってしまった。

その時、望月君は私の事を見て、


「転校生?」

と呟いた。


「そうだ。栗原朝妃(くりはらあさひ)さん。お前のとなりになったから。分からないことがあったら教えてやれ」


私のかわりに先生が望月君に説明してくれた。

望月君は私の事をもう一度見て、微笑み


「よろしく。栗原さん」


と呟いた。