君の笑顔が眩しかった。
何にも興味を示さないフリをしていた僕には君の輝きが痛かった。
君と出会って知ったんだ。
素直でいることの難しさ。
その優しい瞳の奥の憂いに満ちた影を。
―――この世の全てを信じない。
君は自身の凍てついた心を温かさで包んで押し隠していたんだね。
輝いているように見えたのは笑顔の裏の涙。
嘲笑ってやろうと決めたのに…
嘲笑の代わりに出たのは静かな微笑みによく似た鳴咽。
君が憎い。
その哀しみに涙する者に気付かない君が。
―――今日も"笑顔"と云う名の仮面を付ける。

君が憎くて、嫌いで…愛おしかった。
この厄介な感情は今日も僕を支配する。
嗚呼、今宵も独りでその綺麗な涙を流しているのだろう?