深夜…
雨が降っていた

次第に闇が濃くなっていく

早く帰らないと…

高校1年生の天地迅〈あめつち じん〉は急ぎ足で帰路につく

バチャバチャッ

「ん……?何だ?」

誰もいないはずなのに、水溜まりの水が跳ねる

“お前……良い血を持っているな……”

頭の中に直接聞こえてくる声

「誰だ!!」

俺は誰もいない道で叫んだ

“ここにいるだろ……ほら、お前の真上だ……”

「えっ……上?」

上を向いた俺の前には、背の高い女がいた

「えっ、ちょっ」

反応も出来ぬまま噛みつかれた。
首筋を。

ガブリと。