僕はそれから、山内まりえをよく見るようになる。
｢あ、西野くん。｣
彼女が言う。
｢西野くんも園芸係なの？｣
どうやら彼女は園芸係になったらしい。
でも僕は違った。
｢彼は居残りですよ。いつものね。｣
僕が答える前に先生が言う。
僕は悪態をつきながら苗木を植えた。
｢いつもの居残りって？｣
彼女が聞いた。
僕が黙っていると、また先生が言う。
｢今日はサボった罰ですよ。｣
｢うるせぇな。｣
僕はさっさと苗木を植えました。
彼女も黙って作業をし、日が暮れる頃にはすべて終わった。
｢西野くん。山内さんと帰り方角同じみたいだから送ってあげてね。｣
先生が言って、僕は拒否したけど彼女は強引についてきた。
｢ここ俺んちだから。｣
僕は小さなマンションの前で止まった。
｢暗いね。西野くんの家族は出かけてるのかな？｣
僕は彼女の何気ない一言で、