「あ、旭の友だち?俺は佐々木春近って言うんだ。」
春近は彼女に挨拶をします。
彼女もキレイな笑顔で挨拶をしました。
「山内まりえです。」
結局、春近の親切心もあり、僕と春近は彼女を家まで送り届けることにしました。
「ここ、家なんだ。」
そう言った彼女の家は今時のキレイな家で、明るい笑い声がたえることはなさそうでした。
彼女にはピッタリです。
「西野くんたちは予備校なんでしょ?行ってらっしゃい。」
僕は無言で、代わりに春近が答えた。
僕たちは駅横の予備校へ向かいます。
「まりえちゃん、可愛かったなぁ!」
K高は男子校です。
おまけに春近は可愛い子大好きです。
この男に泣かされた女は数知れず…。
あーでも人のこといえません。
「おれ、あの女は苦手。」
正直な気持ちを打ち明けました。
「何でだよ。旭、あーゆう子好きじゃん。」
「だからだよ。」
ワケの分からないことを言うなという顔をした春近が首を傾げました。
「ハマりそうでイヤなんだよ。」