「何にやけてんの?」


「えっ!執汰?」


そう思って声がしたほうに

目を向けると


「逢紀だよ。
そんな低い声してないっつ〜の。」


「あ、ごめん。」


あ〜何やってるんだろう

逢紀は執汰じゃないのに


自分しっかり〜


机をかかえるように

顔をふせた私を


逢紀は心配そうになでてくれた


ありがとうね。

逢紀、本当に嬉しいよ



「ありがとうねぇ
私もう大丈夫だよ。」



「起きてたのかあ。」

へ?

逢紀わざと低い声で

なぐさめてるの?


そう思って
顔だけ少しあげたら


執汰が笑ってる!

「うあっ!」


嘘でしょ?

しかも顔近いよっ



「なんだよ〜
いくらなでても
反応しなかったから
寝てるのかと思ったし。」

そんな可愛くふてくされないでよ


「お、起きてたよ。
てゆうかやめてよっ」


執汰の手をはらいのけてしまった。


「あ・・・・ごめん。
もうやめたほうがいいよなあ。
これ化学の教科書。」



「うん。」


イヤじゃないよって言わなきゃ

勘違いされるよ


「ありがとなっ。じゃ」


そう言いながら教室を出る執汰。


言わなきゃ・・・







イヤじゃないよっ




執汰が頭をなでてくれるの




イヤじゃないよ