『美里、見て!これ、カワイイ!!』
『これ、ティファニーの定番だよねー』
『うん。でも、新作がでても戻る所はコレ!って感じじゃない?』
『じゃぁ、買っちゃう?』
『そうだねぇー。バイトのお金が溜まったら買おうかなぁ』
『リョウは、指輪とか欲しくないの?』
『うーん。実験で試薬使うし、ずっとはめられないのは寂しいからいらないかな』
『ふぅん、そうなんだぁ』
春先のアクセサリー特集の記事を二人で眺めながら交わした会話。
雑誌を持ってきてたのは美里だったっけ。
「まさか…」
記憶の糸を手繰り寄せた私は、目を見開いて翔を見る。
「そ。アレは俺が美里に頼んで仕組んだ会話でしたぁ」
翔は、オーバーに手を横いっぱいに広げながらイタズラっ子の顔をで笑った。
「そんな回りくどい事しなくっても、聞いてくれたら良かったのに」
私は拗ねた表情で口を尖らせながら言った。
「それじゃ、サプライズになんないじゃんよ」
「…サプライズ?」
「そ。サプライズの方が貰うのもあげるのも楽しみが大きいじゃん?」
満足そうな翔の笑顔。
そんな素振り、今まで少しも見せなかったのに。
全然気が付かなかったよ…。
でも、やっぱり嬉しい。
「ありがと」
箱を握り締めながら、精一杯の笑顔を翔に向けた。
『これ、ティファニーの定番だよねー』
『うん。でも、新作がでても戻る所はコレ!って感じじゃない?』
『じゃぁ、買っちゃう?』
『そうだねぇー。バイトのお金が溜まったら買おうかなぁ』
『リョウは、指輪とか欲しくないの?』
『うーん。実験で試薬使うし、ずっとはめられないのは寂しいからいらないかな』
『ふぅん、そうなんだぁ』
春先のアクセサリー特集の記事を二人で眺めながら交わした会話。
雑誌を持ってきてたのは美里だったっけ。
「まさか…」
記憶の糸を手繰り寄せた私は、目を見開いて翔を見る。
「そ。アレは俺が美里に頼んで仕組んだ会話でしたぁ」
翔は、オーバーに手を横いっぱいに広げながらイタズラっ子の顔をで笑った。
「そんな回りくどい事しなくっても、聞いてくれたら良かったのに」
私は拗ねた表情で口を尖らせながら言った。
「それじゃ、サプライズになんないじゃんよ」
「…サプライズ?」
「そ。サプライズの方が貰うのもあげるのも楽しみが大きいじゃん?」
満足そうな翔の笑顔。
そんな素振り、今まで少しも見せなかったのに。
全然気が付かなかったよ…。
でも、やっぱり嬉しい。
「ありがと」
箱を握り締めながら、精一杯の笑顔を翔に向けた。

