実際、冬休みに入った私たちは、ゆっくりと会う時間は学校にいた頃よりも短いものとなっていた。

だって、お互い朝から夜までバイト漬けだったし、ゼミの課題レポートも書かないといけなかったから。

結局、一週間のほとんどを私たちはメールで済ませる毎日を送っていた。


「大丈夫なの?」

久々に会った美里が心配そうに私の顔を覗き込む。

3日前にハワイから帰国したばかりの美里は、冬の日本に似合わないくらい黒く日焼けしている。

「大丈夫って?」

私は、さっき貰ったばかりのハワイ土産の袋を丁寧に開けながら言った。

「会ってないんでしょ?」

「そうだよ?」

「心配じゃない?」

「何が?」

「翔の事が」

「…?ちゃんと生きてるよ?メール返って来てたし」

「…そうじゃなくってさぁ」

美里は、呆れたように首をガックリ落として溜め息を付いた。

学校に行ってる時だって、会わない事ざらにあったし。

何してるのか、どこにいるのかって疑ったりするのも、正直うんざりだった。

知らない事は知りたくない。

完璧に守りの体制の私。