「お客さん、お楽しみのところ申し訳ありませんが・・・焼酎いかがですか?」
美里の携帯が派手すぎる、というテーマで盛り上がっていた時、突然目の前に茶色のボトルが差し出される。
それがあまりにも私の目の前だったから、私は乗り出した体を慌てて椅子の背もたれに戻した。
「ヒカル、油売ってないでアキラの手伝いせんね!」
ヒカルと呼ばれた人物を由美ネェは鬱陶しそうな眼差しで見つめている。
子犬のようなクルクル動く瞳を持った彼は、顔中を笑顔にして私たちを見つめている。
「・・・誰?」
ミーハーな美里が興味津々の表情で由美ネェに聞いた。
「あぁ、コイツ。アキラの弟」
「えー、弟?似てない!!」
「でしょー。もっとワイルドになりなって言うのにさぁ、いつまで経っても子供みたいなままなのよね」
「全然、イケメンじゃん!!可愛いって」
「どうでもいいけど、店の手伝いしなくていいの?」
「今日は休みだもーん」
カウンター席の椅子を、無理やり私たちのテーブルにねじ込みながらヒカルが答える。
「俺、今日って誕生日なんだよねー」
黙って3人の会話を聞く私は、
ヒカルの屈託のない笑顔に釘付けになっていた。
だって、彼の行動の一つ一つが翔を連想させたから――。
どうして翔の事ばかり考えてしまうのだろう。
考えても不安になるだけなのに――。
今日は、忘れるまで飲もう!!
自分を奮い立たせて、笑顔を作る。
大丈夫。
翔はきっと家でいつもみたいにゴロゴロしてるって。
・・・そうだよね?
美里の携帯が派手すぎる、というテーマで盛り上がっていた時、突然目の前に茶色のボトルが差し出される。
それがあまりにも私の目の前だったから、私は乗り出した体を慌てて椅子の背もたれに戻した。
「ヒカル、油売ってないでアキラの手伝いせんね!」
ヒカルと呼ばれた人物を由美ネェは鬱陶しそうな眼差しで見つめている。
子犬のようなクルクル動く瞳を持った彼は、顔中を笑顔にして私たちを見つめている。
「・・・誰?」
ミーハーな美里が興味津々の表情で由美ネェに聞いた。
「あぁ、コイツ。アキラの弟」
「えー、弟?似てない!!」
「でしょー。もっとワイルドになりなって言うのにさぁ、いつまで経っても子供みたいなままなのよね」
「全然、イケメンじゃん!!可愛いって」
「どうでもいいけど、店の手伝いしなくていいの?」
「今日は休みだもーん」
カウンター席の椅子を、無理やり私たちのテーブルにねじ込みながらヒカルが答える。
「俺、今日って誕生日なんだよねー」
黙って3人の会話を聞く私は、
ヒカルの屈託のない笑顔に釘付けになっていた。
だって、彼の行動の一つ一つが翔を連想させたから――。
どうして翔の事ばかり考えてしまうのだろう。
考えても不安になるだけなのに――。
今日は、忘れるまで飲もう!!
自分を奮い立たせて、笑顔を作る。
大丈夫。
翔はきっと家でいつもみたいにゴロゴロしてるって。
・・・そうだよね?

