ああ煩い。
「ね、今日片山くんは一緒じゃないの?」
「あ、今日は片山先輩一緒じゃないよ」
「何だ賀田桐珍しく片山は居ないのか」
何処に行っても片山片山片山。お前等は片山大好きっ子かと怒鳴ってやりたい。大体なにが悲しくてあんな奇人と四六時中一緒に居る必要があるんだ。
「あれー、更沙今日は片山くんくっつけてないんだ」
教室に入った途端呑気な声が降ってきて、思わず溜め息が出た。なんなの呪いこれ。
「いくら私でも毎日片山と一緒に居ません」
ニコニコしている友人に溜め息混じりにそう言うと、それでもまだ何か楽しそうに笑っている彼女。片山と一緒に居ない私がそんなに珍しいか。
でも今日は私に奴からちゃんと連絡が来ていたりする。いつもは何の前触れもなく遅刻してきたと思ったらいきなり私を図書室に拉致るような男だ。しかも授業中。それでもって何でこんな事をしたか訊いたら返ってきた答えが眠いから。
その時ばかりはこいつをどうやって葬ろうかと真剣に考えてしまった。
