非日常なんて、馴れてしまえば日常になるんだと気付いた。
「今日は一段と不機嫌そうだね、賀田桐さん」
「それがあんたの所為だって早く気付きなさいよ」
「あは、賀田桐さんってはツンデレ」
駄目だ。頭が痛い。
今日もまた非日常にどっぷり浸かった私は、今日もまた少しずつ日常に馴れていく。こいつの甘ったるい笑顔も図書室もトラウマになりそう。
「あ、賀田桐さん今日はミルクティープリンだよ。賀田桐さんの好きなミルクティー味」
今日は食べるよね?と甘ったるい笑顔でプリンを差し出してきた奴の顔を睨んで、奴の手からプリンをひったくる。
ていうか何で私がこれ好きだって知ってんのよ。
「…ありがと」
「ふふ、どういたしまして」
一応お礼を言う。かなり無愛想に言ったのに、片山は嬉しそうに笑った。
その綺麗な顔で(認めたくないけど)微笑まれるのは嫌いじゃない。片山じゃなかったらもっと素直にテンション上がるのに。