何だか頼りになるお兄ちゃんみたいだ。いい友達になれそう。他愛ない話で盛り上がって、多分ここ最近で一番充実した時間なんじゃないかと思う。片山と一緒に居るときは、幸せだったけど緊張した。そりゃ楽しかった、楽しくないで言ったら楽しかったかもしれない。片山のプリン攻撃がなかったら。
だけどこんな風に大声を出して笑うのは久しぶりだった。(なのに、)
「……」
「あれ、どうした?暗い顔して」
隣から唯斗が心配そうに覗き込んできた。さらさらの茶髪が目に入る。
その茶色に、思い浮かぶのはやっぱりあいつだった。
「ううん、何でもない。私ちょっと外の空気吸ってくる」
そう言って席を立つと、不意に腕を掴まれた。彼の茶髪がどうしてもあいつとかぶる。
「俺さ、更沙はいい奴だと思うよ」
「うん?」
唐突にそう言う唯斗に首を傾げる。彼は真剣な瞳で、私の腕を掴んだ手にぐっと力をこめた。
