もうこれを何と呼ぼうか。合コン?飲み会?地獄絵図?


「あさ「更沙ぜんぜん飲んでないじゃーん!どんと飲めー!」


…駄目だこりゃ。私を引きずって来たはずの張本人は、完璧にできあかってしまっていた。大体、こんなの合コンと言うのか。


小さく溜め息を吐いて、狭い室内をぐるりと見回す。もう騒音乱雑の入り乱れた部屋はカオスすぎる。


「更沙ちゃん。どうかした?」


 親友を介抱しながら顔をしかめていると、不意に声をかけられた。落ち着いた比較的まともな声に視線をあげる。グラスを片手にこちらを見下ろす茶髪が目に入った。


「あ、大丈夫です」

「友達、潰れちゃったの?」


 人のよさそうな笑みを浮かべたその人は、さも自然に私の隣へと座った。グラスの中の氷がカラン、と音をたてる。