危険な彼女

｢………で、行けるか？｣




『え、あ…その………』




声だけなのでよくわからないが
何やら動揺しているようだ。


俺は電話ごしに首を傾げる。




｢あ、行けないんなら行けないでいいんだけど………｣


『えっ！？
い、行く！！絶対に行く！！！』




亜紀はいつものおとなしい感じからは想像もつかないような声で叫んできた。


いつもと違う亜紀に少し戸惑う奈津であったが、そこは笑ってごまかす。


多分、遊園地と聞いておおはしゃぎなのだろうと奈津は思った。





そして、俺は時間と場所を告げる




｢………ってことだから遅れないようにな？

まあ…亜紀はないだろうと思うけど、遅刻したら桜に殺されるから………｣




『え？え？
さ、桜ちゃんも来るの？』





何を思ったのか、亜紀は困惑しているようだった。