危険な彼女

トゥルルル………
トゥルルル………
トゥル…ガチャ………





『は、はいもしもし………
浅倉です………』




携帯にかけたのに家庭用の電話にかけたときのような応答をするのはいかがなものかと奈津は思ったが、いきなりそんなこと言えないので声には出さなかった。

なんと言っても亜紀なのだから
そのほうがかわいらしく思える。





「あ、おれおれ」




『………!?
あ、さ、詐欺の………』




「な、何でそうなるんだっ!?
奈津だよ、奈津っ!!」




――普通、携帯にかけたら相手が表示はずだよな…?




おそらく、亜紀のことだから慌てて電話に出て、画面を見なかったのだろうということでとりあえず奈津は納得した。





『な、なっちゃん?
どうしたの?日曜日に………』




「ん、ああ、そうそう。
亜紀、今日ヒマ?」




『え?うん………』




「だったらさ、一緒に遊園地行かないか?」




『!!!!!』





ガタンッ!!!
ガタガタガタッ!!!



電話ごしに何かが倒れる音が聞こえた。