危険な彼女

その後、何時にどこへこいだの

遅刻したら殺すだの

飲食関係は全部おごれだの




桜のわがままパラダイスだった。


そんな桜の言葉を半ば聞き流しつつ、俺は身支度を整えた。







――………しかし、
二人きりで遊園地だなんて
ほんとにデートみたいじゃねぇかよ………




いや、デートではないよな。
だって地獄だし………



でも、二人きりだし………






ん?待てよ………





「そういえば………
フリーパスは4枚あんだよな?」




『え?
そ、そうだけど………』




「じゃあさ、春とか亜紀も誘っちゃだめか?

春はわかんねぇけど亜紀は遊園地とかが昔から大好きなんだよ」





俺は苦しまぎれにそう言った。


しかし、亜紀が遊園地好きなのは
本当だ。

小さいときに家族ぐるみで行ったとき以来、亜紀は毎年必ず行くようにしている。