危険な彼女

「やっぱり………おいしくない?」




「いや………その………」





――やばい………
ピンチだ………




俺は後ろを向き、春に助けを求めた。

………が、春が助けてくれるはずもなく………





「人間、正直に生きなあかんよなぁ〜?」




――こ、こいつ…
他人事だと思って………




「奈津ッ!!
どうなのよっ!!?」




いよいよ桜はしびれを切らしたらしく、近距離で叫んできた。


嫌な汗がこめかみを伝う………





「あははは………
よ、よろしいんじゃないかと…」




――ああ、もうダメだ………





「………よーするに…


まずいのね………」





桜はそう言うと、急にしゅんとしおらしくなった。