危険な彼女

「こいつはそう簡単にくたばるようなやつじゃないわよ」




「そうですか………」





亜紀はようやく納得したらしく
ゆっくりと立ち上がった。

まだ何かしそうで怖い………





「あの………そういえばあなたは………?」




亜紀は奈津と私を交互に見ながら
心配そうな表情を浮かべた。




「………私?」




「あの………お名前は?」




「あぁ、名前ね。
私は姫川桜、あなたは?」




「私は浅倉亜紀です…



そ、それで…その………」




そこまで言うと、亜紀は急に
もじもじし始め、再び私と奈津を
交互に見た。


言いたいことは分かる…


何となくだけど………





「心配しなくても大丈夫よ。

私とこいつはそういう関係じゃないから」




―まあ、関係なくはないけど…