危険な彼女

周りの人にしてみれば
一人で騒いでるようにしか
見えないだろう…


しかし、桜の妄想はすさまじい速
さでおかしい方向に向かっていた


その妄想が現実のものとして
桜には見えてしまっているのであった。






――ど、奴隷のくせに………

奴隷のくせに、奴隷のくせに
奴隷のくせにッ!!!!




桜はメラメラと怒りを煮えたぎらせ、奈津の元へ向かった。


あまりの熱気に周りの人は
足早に逃げ、道をつくる…




「一緒に?
あぁ、別にいいんじゃね?」



「ほ、ほんと…?」



「ほんとほんと。
んじゃ、屋上にでも………って…
桜………?」




私は奈津の目の前に立ち、
ギラリと奈津を睨みつけた。


奈津は『え?』とつぶやきながら
口をあんぐりとさせている。





「何が………
いいお嫁さんになる…よ!!!」




ゴツンッ!!!!




「っ!!!!」





私は持っていた弁当箱で
奈津の左側頭部を思いきり
ぶったたいた。